卒業までに作家デビューを目指す大学生のブログ

最近小説執筆にはまった大学生が本気でプロデビューをするために、魅力的な作品を日々研究していくブログ

作品の魅力分析③ サリーとアンの秘密

みなさん、こんにちは。朝凪そらです。
魅力分析シリーズ、今回は第3弾です。
今回どの作品を取り上げるかは、特に悩むことなく決まりました。
というのも、百合文芸小説コンテストで大賞と百合姫賞を受賞した3作品は必ず取り上げたいと考えていたからです。
今回は、百合文芸小説コンテストにおいて、百合姫賞 (他の小説コンテストで言うところの優秀賞、でしょうか?) を受賞した作品の1つである、「サリーとアンの秘密」について取り上げたいと思います。

 

また、作品を魅力を分析していくという特性上、ネタバレになる箇所がいくつもあると思います。pixivに作品が掲載されていますので、ぜひそちらをご覧になってから記事を読んでいただけると嬉しいです。

www.pixiv.net

 

「サリーとアンの秘密」とは?
「サリーとアンの秘密」は、2018年11月半ばから19年1月末までpixivとコミック百合姫が共同で開催した短編小説のコンテスト「百合文芸小説コンテスト」に投稿された短編小説。
厳正な審査を勝ち抜き、百合姫賞を受賞した作品である。


この作品の魅力
入れ替わりモノというのは、ジャンルとしてはそこまで珍しいものではない。しかし、この作品に関してはかなり稀有タイプだと感じた。というのも、大抵の入れ替わりモノは入れ替わる当人たちに不利益が多く、その状況に悪戦苦闘する様子が描かれる場合が多い。
例えば、「君の名は。」では三葉も瀧もお互いの生活スタイルに慣れるまで、かなり苦労している様子が描かれていた。「ココロコネクト」では特にそれが顕著に表れており、ランダムで中身入れ替わるせいでメンバー全員が相当まいっていた様子が確認できる。
だが、この作品の2人はどうだろう。これらの前例に全く当てはまっていない。お互いの生活スタイルを逆転させた途端、これでもかというほど歯車が噛み合っている。こんなパターンは見たことがなく、とても新鮮に感じた。

 

そして、私がこの作品の最大の魅力だと感じた会話がある。

それが、物語終盤の「あのさ。あたしたちって、きっとさ」から「なおせなおせ、って?」までの二人の会話。

あくまで私の個人的な感想ではあるが、この短編小説は、このシーンのために書かれたものなのではないか、と思った。尊さに対するキャパシティーをこのシーンが一気に超えた感覚があった。ただただ、素晴らしかった。

 

この作品から学んだこと&自分の作品にどう活かすか

この作品は、いい意味で予想を裏切られた作品だった。入れ替わりいうジャンルにおけるよくある展開、よくある設定がこの作品にはなく、二人の女の子の人生が入れ替わりをきっかけにして好転し始めるという斬新な展開が素晴らしかった。なにより、この物語の「核」みたいなものが、はっきりと読者に届いていると感じた。

どう活かすかという点については、「これはどんな物語なのか」という核となる部分をしっかりと持つことが大切なのではないか、と強く感じた。